日時2001年2月13日(火曜日)14:30〜18:00
場所京大理学部物理教室 第2講義室

P1・P3の実験紹介
π+→eν崩壊の探索
π+π-の寿命測定による
CPT保存の確認
原子核の巨大双極子共鳴
π→eν
π→μν この割合どれくらい?
πの寿命はどれくらい?
あなたの興味はどれくらい?
・π中間子の崩壊比の測定
πは弱い相互作用によってπ+→μ+ν、π+→e+νなどに崩壊しますが、素粒子の標準模型では、弱い相互作用のcurrentの形はV-A構造をしており、その結果π+は99.9%がμ+に崩壊することを予想しています。
私たちはπ+の崩壊比(branting ratio)を測定することにより、標準模型の検証を試みました。

・π+π-の寿命測定によるCPT保存の確認
π+とπ-は粒子と反粒子の関係にあり、仮にCPT対称性が破れているとすれば、粒子と反粒子とでは寿命が異なります(質量も)。
私たちはπ+とπ-の寿命を測定することで、CPTが保存していることを確認しようと考えました。

目には見ることのできない原子核を、どうすれば”見る”ことができるのか?
大きさや形はどうすれば調べられるのか?今回の実験ではそこに迫ってみました。
原子核の周りを回る電子に離散的なエネルギー準位があるように、 原子核中を運動するの核子にも離散的なエネルギー準位が存在する。 このような準位があるためにあるエネルギーのγ線は吸収されやすくなる 状態があり、共鳴状態として知られている。この状態は、核子を一体系とみなし、ある準位にある核子が別の状態へ励起するモデルで説明がつく。

では、核子の集団運動状態を考えるとどうなるだろうか? 直観的には陽子や中性子の集団を流体と考える液滴模型が有効だ。 二つの流体が逆位相で振動する双極子的な運動や、また、四重極変形をするような運動もある。これらの状態は調和振動子的だと考えれば、固有振動数(=固有エネルギー)を持ち、共鳴状態を作る。 これらの振動のモードを調べることによって、原子核の運動状態や変形について調べることができる。今回はこの中でも、双極子共鳴につて調べることにした。


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Last modified: Sun Jan 28 10:27:16 JST 2001