2004年度P1/P3合同発表会

日時 2005年3月17日(木曜日) 14:00〜17:00
場所 京大理学部物理教室 第4講義室

P1/P3(β班)の実験紹介
P1(3グループ)

P3 (β班)
(p,n)反応によるβ+崩壊核63Znの生成と
そのβ+線のヘリシティの測定


g班(松岡広大、横田尚)

 アルミニウムに宇宙線ミューオンを止め、磁場によりスピンが才差運動することを利用して ミューオンのg-factorを測定しました。


MICHEL班(足立泰平、森順一、矢野孝臣)

 Anti-μonがPositronに崩壊する事象については、関係する粒子すべてがFermionであることから V-A理論に基づく計算からその個数・エネルギーの角度分布の式を導くことができる。 その角度分布式にはρ・δ・ξという三つの定数が存在し、そのうちρが一般にMichelParameterと呼称される。
 我々は宇宙線Aniti-μonの崩壊をNaIシンチレータを用いて観測し、得られた変数の値からV-A理論を検証することを目指した。


オルソポジトロニウム班(西岡辰磨、吉田豊)

 真空中でシリカパウダーを用いてオルソポジトロニウムの寿命を 測定することにより、量子電磁力学を検証した。

 我々の生きる世界には普遍的な物理法則がある。
鏡の中にいる我々の鏡像達の物理法則には我々のそれとは一部違うところがあると言われている。果たしてそれは正しいのだろうか。我々は生来の好奇心に駆られてその現象の存在を確かめることを決意した。

 β崩壊で放出される(陽)電子。そのスピン分布に偏りがあれば、それによって上記二世界間の物理法則の違い(いわゆるパリティの破れ)を確認できる。これに着目したP対称性の破れの検証実験は、過去のP2等でも行われてきた。しかし今回我々が陽電子源として用いたのは、既製のβ+線源ではなく京大タンデム加速器で63Cu(p,n)63Znを起こして得られるβ+崩壊核63Znである。pビームの強度,照射時間を調節することで欲しい強度の陽電子源が得られるというのがそのメリットである。そして、陽電子のスピンの偏りを示すヘリシティという値を測定する道具としては、陽電子-電子散乱の際にお互いのスピンの向きによって断面積が変わる「Bhabha散乱」を用いることにした。

 というわけで、自家製β+線源から放出された陽電子線を偏極したパーマロイに当て、その際のBhabha散乱イベント数が偏極の向きごとに違うという非対称度を測定する実験です。β+線源としての強度確認,全イベントからのBhabha散乱事象の選別,そして十分な数をためる、というのが課題となります。果たしてうまくいったかは発表会の日に明らかになるでしょう。


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