2004年度P6/P3合同発表会

日時 2005年3月9日(水曜日)  午前の部 10:30〜12:00
                  午後の部 14:00〜15:00
場所 午前の部(p6発表) @第4講義室  午後の部(p3発表) @第1講義室 

P6/P3(γ班)の実験紹介
P6( 3groups )
☆μ−picを用いたα線のエネルギー損失測定
(μ−pic組)

☆CORSIKAによるγ線エアシャワーシミュレーション
(塩班)

☆CsIシンチレーターを用いたマルチアノード型
光電子増倍管の性能校正
(シンチレーター班)

p3(γ班)
Ge検出器を用いた高分解能
γ線分光による原子核形状の研究
☆μ−pic組

 μ-pic組は京都大学宇宙線研究室で開発中のピクセル型ガス検出器であるμ-picを用いて、 先ず検出器そのもの及び読み出し回路の性能を理解した上で、 μ-picのドリフト領域内のα線の飛跡を測定し、エネルギー損失を求め、μ−picの応用 性について評価した。



☆塩班

 γ線は電磁波の中でも最も波長の短いもので、そのような光を発する天体現象は大きな関心の対象ではあるものの、そのフラックスの小ささから直接観測は非常に難しい。 そこでγ線が地球大気に入射する際にできる二次粒子の雨(エアシャワー)を地上で観測する方法が考えられた。1960年代にはまだ単なる概念でしかなかった γ線エアシャワー地上観測は、観測技術の発達とイメージング法の登場により1990年代に入ると急速な発展を遂げた。さらなる観測のために望遠鏡は大型かし、 建設の前にシミュレーションによるリスク対効果の慎重な比較が不可欠になって来た。 今回の卒業研究では、エアシャワーシミュレーションプログラムのCORSIKAを用いて、オーストラリアのウーメラ(標高160m)にあるCANGAROO2望遠鏡の拡張案の一つとして、 同様の望遠鏡を高い標高に設置した場合どの程度のメリットが生まれるかを検証した。



☆シンチレーター班

 我々シンチレーター班は、未だフロンティア領域である硬X線の観測を目的とする、 CsIシンチレーター+マルチアノード型光電子増倍管の性能校正を行いました。 光電子増倍管には256個のアノード出力があるため、 装置の小型化、処理データ数の低減のために各アノードを 抵抗チェーンで繋ぐことにより、 出力を4つにまで減らした上での位置分解能を調べました。


○研究動機 

 私たちは原子核の形状(球からどれだけ変形しているか)に興味を持った。原子核の慣性モーメントと電気四重極モーメントを測定することでそれを知ることができる。

○実験方法 

 物理学教室のタンデム加速器Gコースで実験を行った。 13MeVの陽子による165Ho(p,2n)164Er*反応で作られるEr*の回転バンド間の脱励起γ線のエネルギーから慣性モーメントを測定する。 また、9〜19.5MeVのαによる51V(α,p)54Cr*の励起状態の寿命を測定し、寿命から電気四重極モーメントを計算する。 寿命の測定ではドップラーシフト法(RDMとDSAM)を利用する。 γ線の測定では、エネルギー分解能の高いGe検出器を使用する。 RDMでは、Vターゲット箔から30μmの所にストッパーを配置するために 独自の器具を開発している。


○実験結果

 Hoターゲットの慣性モーメントはγ線のエネルギーから測定できた。 寿命の測定では、RDMを用いては寿命は算出できなかったが、DSAMを用いて寿命を算出することができた。 ストッパーは現在改良したものを製作中であり、次回(4月予定)の実験では、Crの第一励起状態の寿命を測定する予定である。

○発表内容

・研究動機
・実験の概要
・γ線スペクトルよりErとCrの慣性モーメントを計算する。
・Crの脱励起γ線からDSAMを用いて寿命を算出し、電気四重極モーメントを計算する。
・次回の実験の展望について、特に新しいストッパーの設計について説明する。


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