1/27 解析についてのメールのやり取り

From:吉田

Date: Tue,31 Jan  2006

 このメールのやり取りは重要と思ったので掲載しときます
内容は現在話題のaccidentalのもつasymmetryについて

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「パリティ破れました。。。」

P3皆様、舟橋様
 
石川です。
気晴らしに asymmetry 計算 program をいじっていたところ、
 
 asymmetry : 0.469 +- 0.210
 accidental : 0.015 +- 0.295
 
となりました。条件は
・ホドスコープの規格化なし。
・磁場反転を失敗したイベントは使わない。
・TDC cut を広め (TDC1:130-400, TDC2:270-570)
としました。
とりあえず cut 範囲を広げてみたところ、aymmetry は 0.25 のままでしたが
accidental が一気に低下。で、無駄にテンションが上がり、反転ミスのイベントを
取り除いてみたら今度は asymmetry が一気に上昇。この数値は
今井大先生の助言があったからこそです。ありがとうございます。
 
この数値だと、97.4% asymmetry がある、ってかんじです。
計算はただ Gaussian を積分しただけ(でいいんかな)。
凝ったことをしていないので、この信頼度は高いかと。
特に accidental のこの中心値は今まで悩んでたぶん気持ちいい。
Beam のぶれも、本日見せた histogram の限りでは
「強いて補正する必要は低い」ってことでまかり通れると思います。
 
やっぱり Visual Scaler のせいだ。
 
Kurie plot もこれ以上は必要ないと考えられるのでやめます。
卒論としては、ホドスコープの議論は Appendix にまわした方がいいのかな。
発表では特に聞かれない限りコチラから言う必要はないでしょう。
 
今後の指針としては、
・モンテカルロ featuring AKIRA の結果待ち。
・Beam 強度の変化について何らかの数値が出せたら、より信頼度があがる。
・磁場をミスったRUN(計4つ)の復帰は可能か?
あたりでしょうか。三番目については、各RUNにつき
磁場を余分に数えた方の turn をランダムに2つ除いて平均すれば、
それなりの asymmetry を出せるのではないかと考えてます。できるか不明。
 
そんなわけで、担当していた解析部分は(もともとはシンチだけだったのに)
いい具合にキリがつきました。
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舟橋です、
まだよく考えていないけど、
「見失った」顛末からすると、
TDCウインドウを拡げることで
> >  asymmetry : 0.469 +- 0.210
> >  accidental : 0.015 +- 0.295
と都合良くなる理由が良くわからない、
また次回コアタイムのお楽しみ?
不都合だったことの理解も解明しておきたい。

カーリープロットだけど、
やりきっておいた方が良いです。
影響ないことを主張するためにも、
エネルギー閾値を明らかにするためにも。

ビーム強度依存性が問題にならないのなら、
GSOのTDC−ADCスキャッタプロットに、
適当なADCカット掛けて、
TDCのシグナル領域のカウントの領域外に対する比を、
各スピルごとに求めて、積算するとA/Bで違いが顕れるはず?
カットや積算の仕方の詳細をどうしたらいいか
いま私はよくわからないけど。
これならスケーラーに依存しないでビーム強度についても
規格化出来ている?

再び『良い値』が出たことで、
スケーラーを人身御供にして思考し停止していないか反省して、
よく他に問題ないか考察して下さい。

2006.1.28   舟橋

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久保です。

横槍失礼。

要するにtdcのcutが甘かったせいで、アクシデンタルに本物のtailが混入
していたのだと思います。その混入具合はGSOのgain変動に伴うtdcのシフトに
直接影響されるため、絶対量は少なくても大きなアシンメトリを作っていたと。

原因を切り分けてハッキリさせるため、欠け目RUN の使用有無
、β規格化の使用有無・tdcのcut幅の広さ、
それぞれを変えて計算してみるとより説得力が上がるかも?

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舟橋です、
# 即レスしている場合じゃ無いんだが…。

> 久保です。
> 横槍失礼。

歓迎。

> 要するにtdcのcutが甘かったせいで、
> アクシデンタルに本物のtailが混入していたのだと思います。

定量的にダウト!、そんなに混じるか?、
混じったからといって、それくらいの量で効くか?

というのは今までのコアタイムでの説明をまるで信じた場合の判断だが…

カット範囲のこれまでの説明が実は間違っていて、
本当は厳しすぎて、
# 統計がなんか納得出来ていなかったし?
シグナルのTDCピークの半分程度かそれ以下しか
シグナルとして扱っていなかった、
半分程度かそれ以上を間違ってアクシデンタル扱いしていた、
くらいの大災害があったってことか?
それならそうかもしれん、気付けて良かったね。

でも、
最新解析を見ると、大してシグナル/アクシデンタルの
統計変化していないのよね。

ところで、
TDCをまるで使わない解析結果はどうだっけ、
それは量的に問題なく新しい理解から説明できるかな?


2006.1.28   舟橋%火曜まで即レス自主規制御免

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久保です。

こちらは携帯なので即レス。
その後の部分をよく読んでください。
アシンメトリを持ったものが混ざる効果ではなく、混ざる量自体が磁場方向で
変わる効果が現れます。
aでは1000個混入したのにbでは500個とかいう程度の差でも充分影響してくるはずです。

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舟橋様、P3皆様

石川です。
スペース、改行多用するので、携帯の方すいません。
 
前回のメールは誤解をまねく感じですいませんでした。
TDC cut はあくまでテンションが上がるきっかけで、
重要なのは「磁場反転ミスのデータを使っていない」点です。
 
まず、前のコアタイムの状況確認から。
このときは
 ・ ベータ線補正あり。もちろん、全 RUN を使用している。
 ・ TDCは 1 (150-350), 2 (320-570) の cut 範囲。
でした。この状況では、
 
  /* 5 日前 */
    parity : 0.599 +- 0.190
    accidental : 0.438 +- 0.264
  /* 5 日前 */
 
です。ここまでは一応納得できているとして、
これが昨日の値に変化するまでを説明します。
 
コアタイムの時点で、
 ・ 一方の磁場方向でのベータ線の count が、他方よりも平均 0.1 % ほど違う。
という情報を与えました。その指摘に、「ベータ線の規格化は信じれるか?」があり、
 ・ ベータ線の規格化なし。全RUN 使用している。
 ・ TDC は 1 (150-350), 2 (320-570) の cut 範囲。
として asymmetry を出したところ、
 
    parity : 0.256 +- 0.190
    accidental : 0.090 +- 0.264
 
となり、"一見違うけどよく見ると同じ" asymmetry が出ました。
この時点で、accidental の中心がだいぶ小さいです。 (0.438 -> 0.090)
このあといろいろやりましたが、蛇足になるので省略。
 
ここまでは「統計の重み」をベータ線の数で考慮していました。
ベータ線の使用が微妙とわかり、以降、「3 coin. の count」で重みを評価しています。
そのため、値が以前と少し違います。
 
結局、TDC cut 範囲を
 ・ ベータ線の規格化なし。全 RUN を使用。
 ・ TDC は 1 (130-400), 2 (270-570) の cut 範囲。
と広げてみました。このとき、
 
    parity : 0.256 +- 0.188
    accidental : -0.019 +- 0.261
 
前の値との矛盾は、統計の重みによるものと考えられます。注意する点は
accidental の中心が 0.090 -> -0.19 の点。
前回のメールではここを抽象的なまま強調してしまったため、誤解をまねいてしまいました。
TDC cut はあくまで誤差の範囲での出来事です。
 
最終的に
 ・ ベータ線の規格化なし。磁場反転ミスの RUN 7,14,20,27 を未使用。
 ・ TDC は 1 (130-400), 2 (270-570) の cut 範囲。
としたら、
 
    parity : 0.469 +- 0.210
    accidental : 0.015 +- 0.295
 
となったわけです。中心値の変化は、4/20 を除いたのでありえる範囲だと思います。
統計の悪化が思ったより小さい気もしますが、こんなものでしょうか。
 
 
Kurie plot ですが、個人的には 10日前に electron のエネルギーしきい値 (閾値) を
570 keV とシミュレーション班に伝えた時点でやりきった感を持っています。
で、昨日お見せしたかわかりませんが、
 ・ 3mm scinti. は磁場の影響を受けていない。
 ・ 25mm scinti. の磁場による THR の変化も、ベータ線の count の差と相関がない。
を示すグラフもできており、これ以上は必要ないと考えます。
やろうと思っていたことは、
 ・ Gain 変動があるとすれば、Kurie plot の範囲を 25mm のピークっぽいところを基準に
    変化させてみる必要もあるのではないか。
です。これはすでに試みており、非常に非常につまらない結果でした。
 
これ以上やると言えば、ちょくちょくいわれている通り、
 ・ 各イベントごと 3mm + 25mm を行い、も少し正確にしきい値を出す。
あたりです。「そこまでやる必要ないか…」との声があるので乗り気ではありませんが。
これは kurie plot というよか data の詰め直しですので、kurie plot は終了、と
伝えた次第でございます。
 
 
長文すいません。    石川
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吉田です
 
今日やっとメール見ました。
吉田もデータ解析に参加しているもののはしくれとして
ちょっと言わせてもらいます。
 
まずはgoodnewsおめでとうございます。
 
吉田のモンテカルロ計算の結果も
 asymmetry : 0.453 ± 0.010 %
(イッシーの解析結果: asymmetry : 0.469±0.210 %)
となりました。
 
でも僕がやっぱり気になるのは
「hodoscopeによる規格化なしは正当なのか?」
という点です。
 
まぁ間違ったもので規格化したら間違った結果が出るというのは
当然ですが本当にscalerはしくじったのか??
 
まぁそれはテストしてみるとして、僕らはhodoscopeの規格化をする
という条件でものごとを考えてきたわけでこれをしないというのは
やっぱり抵抗がありますねぇ。
 
たとえば、磁場の反転が失敗していても(例えばaが29、bが30)
「それはhodoscopeで規格化するから大丈夫♪」みたいな感じで
やっていました。
これについては磁場反転失敗のデータを使わないなら、それでいいと思う。
 
でも、荷電粒子(β線)の磁場中での運動の違いによってasymmetry
ができるかも?なんてのもhodoscopeの規格化任せにして
深く考えなかった問題ですね。漏れ磁場弱いと思ってるけど
結構漏れてるんだったらこいつもそれなりにasymmetryつくっちゃうような...
定量的に考える必要がありそうですね。
 
そんな感じで、規格化しないというんだったらやっぱり「aの測定」と
「bの測定」でbeam intencity、 hodoscopeのgain、 他にも
いろいろな可能性について「本当に全く同じかどうか?」というのを
いえないとだめなんじゃないかなぁ。
 
 
次回のゼミでいろいろ議論するのが楽しみです。
なお、イッシーから始まったこの一連のやり取りはそのうち
webにアップしようと思います。
長くなってすいません。また明日☆


 	

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