御来聴ありがとうございました
β-γ偏光相関によるパリティの破れの検証」
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Good Questions

 御来聴いただいた方々からとてもいい質問をいただいたので、ここで
掲載させていただきます。

Q1、「磁場をオシロスコープで見たときの2段階の振る舞いをどのよ
   うに理解していますか?」
 A、興味深い問題です。考えてみます。

Q2、「数値計算で求めた値と、測定した磁場の値が違いますがどち
   らの値を使ったのですか?」
 A、パリティの破れをいうには磁場の"値"というのは計算に用いませ
   ん。測定は十分磁化しているかどうかの確認のために行いました。
   シュミュレーションでは数値計算の値を用いますが、このシュミュ
   レーションも参考程度のもので"パリティの破れ"という視点で言
   えば本質的なものではありません。

Q3、「なぜ deuteron のエネルギーを 10 MeVとしたのですか?アルミ
   の厚さについてはどのように決めたのですか?」
 A、アルミに deuteron を反応させると我々が生成したい反応の他に
   様々な反応の可能性があり、そのうちのひとつが 10 MeV以上の
   deuteron に対し断面積が大きくなってしまうということが決め手です。
    厚さに関しては 10 MeV で入射したとき、ある程度透過して欲しい
   ということと、たくさん生成したいということのバランスをとって決定
   しました。

Q4、「(回路の説明で)magnet switch というのはどんなものですか?」
 A、Apendix として用意していたスライドで説明しました。ここでは、省略
   させていただきます。

Q5、「Histogram を fitting する際 fitting 範囲を変更しても結果は変わ
   らないことを確認しましたか?」
 A、していないです。確かに、 fitting 範囲は完全に目測で決めているので
   fitting 範囲を変更した際の Asymmetry の値の変動などについても
   考察の余地があると感じました。

Q6、「磁石の磁場の向きでなんで透過率が変わるのですか?」
 A、γ線と電子のコンプトン散乱で電子のスピンとγ線のスピンが平行か
   反平行かで断面積が違うことを利用しています。磁石は、中の電子の
   一部のスピンを特定の方向に揃えています。

Q7、「同様の実験の実験結果との比較を教えてください」
 A、我々の実験 β−γ偏光相関は何度も行われていますが、透過型で
   行った例は我々はまだ見つけていません。そのため、単純に asymmetry
   の値を比べることはできません。しかし、asymmetry の相対誤差の大きさが
   我々の実験は約1/2 であるのに対し、相対誤差を 1/3 程におさえている
   実験もあります。しかし、実験方法の見直しの下、2週間程統計をためる
   ことで相対誤差を 1/5 程度にすることは可能だと考えられます。

 その他、ここに掲載していないものにも鋭いご指摘やたくさんの御意見を頂き、
ありがとうございます。大いに参考にさせていただきます。

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