加速器を用いた本格的な原子核実験を通して
相互作用の物理と検出・解析技術を体得する
自然界は、「強い力」「電磁気力」「弱い力」「重力」という4つの基本的な相互作用により支配されています。本コースでは、これらの相互作用と関連する量子力学についてセミナー形式で学習するとともに、実際の加速器を用いた実験を通してその物理を体感します。
Nature is governed by four fundamental forces: Strong, Electromagnetic, Weak, and Gravitational interactions. In this course, students will learn about these interactions and related quantum mechanics through seminars and experience the physics firsthand through accelerator-based experiments.実習のハイライトは、京都大学の加速器KUANSが供給する低速中性子ビームを用いた本格的な実験です。物質の源である原子核を形作る「強い相互作用」と「電磁相互作用」が関与する「重陽子の結合エネルギー測定」に挑みます。 目には見えない放射線や粒子をいかにして捉え、物理量を導き出すのか。世界中で展開される素粒子・原子核実験の縮図とも言える一連のプロセス(検出器構築・回路・データ収集・解析)を経験できる貴重な機会です。
4つの力、特に原子核物理における「弱い力」の重要性や「強い力」の役割について学びます。
p(n,γ)d反応を用いた重陽子結合エネルギー測定。加速器を運転しデータを取得します。
C++/Python/ROOTを用いた本格的なデータ解析。断面積や結合エネルギーの導出。
本コースを構成する5つの主要要素 / 5 Main Pillars
実験の背景となる物理を集中的に学びます。4つの相互作用の概観から始まり、特に原子核物理学における「弱い相互作用」の役割、そして本実験の核となる「強い相互作用」と重陽子の結合エネルギーについて、量子力学に基づいた理解を深めます。
Students will intensively study the physics background, focusing on the four fundamental forces, the role of weak interaction in nuclear physics, and quantum mechanical understanding of strong interaction.
目に見えない粒子を電気信号に変える技術を学びます。
検出器のアナログ信号を処理し、デジタルデータとして収集する回路系を構築します。
京大KUANS加速器を運転し、低速中性子ビームを用いた本格的な実験を行います。
取得した生データを物理的な結果へと昇華させる解析技術を習得します。
J-PARCやJLabにおいて、ハイパー核分光研究によりストレンジネスを含む強い相互作用の理解を深める実験的研究を推進。
スーパーコンピュータを用いた格子QCD計算により、強い相互作用の性質や原子核の性質を第一原理から解明する研究を推進。
J-PARC におけるハドロン分光研究や核子構造研究を推進。
前期・後期で実習内容は同一ですが、実施時期が異なります。
実習・セミナーの概要説明。
[セミナー] 4つの相互作用、量子力学、弱い相互作用。
[基礎実習] 検出器の組み立て、オシロスコープ、NIM回路操作、データ収集系構築。
KUANS加速器を運転し、p(n,γ)d反応の本測定を実施。生データの取得。
ROOT等を用いた解析により物理量を導出。レポート作成。
得られた結果についてのプレゼンテーションと質疑応答。
実習・セミナーの概要説明。
[セミナー] 4つの相互作用、量子力学、弱い相互作用。
[基礎実習] 検出器の組み立て、オシロスコープ、NIM回路操作、データ収集系構築。
KUANS加速器を運転し、p(n,γ)d反応の本測定を実施。生データの取得。
ROOT等を用いた解析により物理量を導出。レポート作成。
得られた結果についてのプレゼンテーションと質疑応答。
京都大学 理学部 6 号館 (北部キャンパス)
A6 部屋 (306室)