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Figure:
エミッター接地回路
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増幅回路の基本となるもので、電流利得と電圧利得の両方が得られます。
まず、エミッタ・ベース間にバイアスを加えない状態でエミッタ・コレクタ間に
電圧をかけた状態を考えます。この場合ベース・エミッタ間に空乏層が存在し
電流はほとんど流れません。これを遮断領域とよびます。(実際には数μA流れ
る)。
次にベースエミッタ間にバイアスをかけ、空乏層をなくしベース電流を
流した上でエミッタ・コレクタ間に電圧をかけていきます。はじめはコレクタへ
ベースから電流が流れる状態ですが、あるところからコレクタ・エミッタ間に
電流が流れ出します。ここまでを飽和領域とよびます。この先を活性領域
とよびます。ICとVCEの相関図は、トランジスターの特性として
公表されていて、典型的なものを図に示します。この図の活性領域が
まさに増幅作用を持つ領域です。
実際の設計を行うときの基本はこの図に動作線を書き込んで設計することも
ありますが、それは
後回しにして典型的な性能を見てみることにします。
まずトランジスターには内部抵抗もあって、それをrb、
rb、re、rc (ベース、エミッタ、コレクタ内部抵抗)と考えます。
交流増幅を考えるので、エミッタ抵抗Reのよこにあるコンデンサーの
インピーダンスは十分低いと考えられます。
入力インピーダンスは
Zie=v1/ibですから
とおいて
(小文字のfeは交流電流増幅率をあらわす);
v1=rbib+reie
ですから
になります。
ただしR1//R2は十分大きいと仮定しています。
電圧利得
Av=v2/v1は
ib=v1/Zie
より
です。出力が反転するのが特徴です。
電流利得はもちろんで、出力インピーダンスはRLになります。
実際のところ、エミッタ側のCがなかったときはreをre+Reで置き換えれば
良いことになります。この回路は入力にCがついているので直流増幅できませんが、
回路上の直流増幅率は
となります。従ってこのCの役割は、交流増幅率をあげる事にあるわけです。
逆に増幅率が周波数依存性をもつことにもなり、
低周波の精度の高い増幅器を作るときは、むしろこのCをなくして
しまうことも多いです。
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2000-02-20