さてここで作動2段からなる実際の増幅器をみてみます。左下の隅にあるのは 一定電流を各作動増幅に供給するための基準をつくるトランジスタでダイオード 接続されています。ここで定電流を決めているため終段の作動増幅の出力の DCレヴェルを容易に0にすることができます。この例では初段の出力レベルを 4Vにして抵抗分割でレベルシフトをしています。ここで増幅率は25k/70kの直列接続と 終段のベース電流によって おちますが、終段のベースレベルはー5V以下になり、終段の動作点(Vce=5V)を保証します。 初段のベースレベルは0Vですから、初段の動作点も(Vce=4.6V)確保されています。 各段エミッタ抵抗は定電流回路ですからCMRRも高いわけです。 初段のエミッタ電流は1mA、終段のエミッタ電流は2mAですので、 エミッタ内部抵抗はそれぞれ26オームと13オームです。 hFE=100とすると 終段のベース電流は内部エミッタ抵抗の倍(1.3kOhm)になり、たいていものは無視できて, 全体の増幅率は 5K/26*5k/13*(25//1.3)k/70k=1800と非常に高いものになります。 この回路はDCレベルまで増幅できますから演算増幅回路としても使えます。 大きな問題点は出力インピーダンスが高いことです。
これを逃げるためには一番最初に示した絵のような回路でSEPPを持たせる 必要があります。(図の解説) これは実際にはオペアンプとして知られているもので、通常裸では使いません。 実際使うとゲインが高いため、完璧なスイッチとして働きます。 あと片側に基準電圧を与えてやってコンパレーター/ディスクリミネータ としても働くわけです。