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[問題 2-3]これはなんでしょう。


\begin{figure}
\epsfxsize=6cm
\centerline{\epsffile{con2.ps}}
\par\epsfxsize=6cm
\centerline{\epsffile{vcon2.ps}}
\end{figure}

答え:コンデンサー
これも多種多様ですが極性のある電解コンデンサーとそれ以外と考えておけば よいでしょう。電解コンデンサーは大容量(数μF以上)で、極性表示と容量、 耐圧が明記されていますので安心です。極性を間違えると熱くなり最後には 爆発したりするので注意が必要です。どうしても大容量の極性がないコンデンサー が必要なときには電解コンデンサー2つを逆向に直列につなぐという技があり ますがあまりおすすめできません。記号は
\begin{figure}
\epsfxsize=1.5cm
\centerline{\epsffile{condenserpol.ps}}
\end{figure}

です。 極性無しコンデンサーでもっともポピュラーなのがセラミックコンデンサーです。 大抵茶色くて丸い格好をしています。ここにもコードがあって472とか書いてあります。 これは最後の数が0の数を表し、この場合は4700pF(ピコファラッド)のことです。 常に単位はpFで,そうでないときには 明記されています。同様によくつかわれるのがマイラーコンとかスチロールコン とかです。容量で守備範囲が分かれていて、容量が 電解>スチロール>マイラー>セラミックの順で、 高周波特性や耐圧もほぼその逆です (耐圧はもちろん大きさにもよります)。記号は

\begin{figure}
\epsfxsize=1.5cm
\centerline{\epsffile{condenser.ps}}
\end{figure}

です。 コンデンサーの基本式は以下の常識的なものです。

\begin{displaymath}CV=\int{Idt}=Q
\end{displaymath} (2)

一般に電気信号はフーリエ分解できますから所詮正弦波の重ねあわせです。 電圧 $V=V_0\exp{i\omega t}$とおいて考えると 当然電流 $I=I_0\exp{i \omega t }$とおけて(I0は複素数で位相が回っている)、 結局上の式に放り込んで、

\begin{displaymath}\frac{I_0}{i\omega C}\exp{i\omega t}=V_0\exp{i\omega t}
\end{displaymath} (3)

でいわゆる複素インピーダンス $Z=1/i\omega C$ を導入すると

V=IZ (4)

というオームの法則の交流版を得ます(これについては後日ちゃんとやります)。 内部の誘電体の損失でCは高周波になると小さくなります。これが高周波特性です。 電解コンデンサーは可聴周波数帯(20Hz〜20kH)でしか働きませんがセラミック コンデンサーなら数十GHzまでOKです(衛星放送や携帯電話の周波数帯)。 コンデンサーは大抵並列な抵抗成分を持っています。これが漏洩電流と よばれるものです。これと容量の周波数依存性をまとめた形でコンデンサーの 等価回路(あとでちゃんとやるとして)
\begin{figure}
\epsfxsize=0.3\textwidth
\centerline{\epsffile{condenser-eff.ps}}
\end{figure}

で表すことができます。 実用上、Rsは十分小さいので並列成分だけを 考えればよく、複素インピーダンスは

\begin{displaymath}Z = 1/(i\omega C + 1/R_p)
\end{displaymath} (5)

と書くことができます。 実数部を虚部で割った比をtanδ(タンデルタ) とよんでコンデンサーの 性能の目安にしています。

tanδ= 1/wCR (6)

だいたい10-4から10-1の値を取ります。これが少ないほど高周波向けの コンデンサーになるわけです。あとインダクタンス成分も持っていて(リード線や 内部のインダクタンス) ある周波数以上になるとかえってインピーダンスが上がってしまいます。 高周波用(100MHz以上)にはなるべく小さいもの(1000pF)以下短い足で 利用することが重要です。このためいろいろの大きさの種類が違うもの を並列で使うことが結構あります。

可変コンデンサー(バリコン)というのがあって一昔前まではすべてのラジオに ついていたのですが最近はあまりみかけません。まー写真をご覧下さい。 なかなか印象的なものです。誘電体はもちろん空気です。


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2000-02-20