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答え:コンデンサー
これも多種多様ですが極性のある電解コンデンサーとそれ以外と考えておけば
よいでしょう。電解コンデンサーは大容量(数μF以上)で、極性表示と容量、
耐圧が明記されていますので安心です。極性を間違えると熱くなり最後には
爆発したりするので注意が必要です。どうしても大容量の極性がないコンデンサー
が必要なときには電解コンデンサー2つを逆向に直列につなぐという技があり
ますがあまりおすすめできません。記号は
です。
極性無しコンデンサーでもっともポピュラーなのがセラミックコンデンサーです。
大抵茶色くて丸い格好をしています。ここにもコードがあって472とか書いてあります。
これは最後の数が0の数を表し、この場合は4700pF(ピコファラッド)のことです。
常に単位はpFで,そうでないときには
明記されています。同様によくつかわれるのがマイラーコンとかスチロールコン
とかです。容量で守備範囲が分かれていて、容量が
電解>スチロール>マイラー>セラミックの順で、
高周波特性や耐圧もほぼその逆です
(耐圧はもちろん大きさにもよります)。記号は
です。
コンデンサーの基本式は以下の常識的なものです。
|
(2) |
一般に電気信号はフーリエ分解できますから所詮正弦波の重ねあわせです。
電圧
とおいて考えると
当然電流
とおけて(I0は複素数で位相が回っている)、
結局上の式に放り込んで、
|
(3) |
でいわゆる複素インピーダンス
を導入すると
というオームの法則の交流版を得ます(これについては後日ちゃんとやります)。
内部の誘電体の損失でCは高周波になると小さくなります。これが高周波特性です。
電解コンデンサーは可聴周波数帯(20Hz〜20kH)でしか働きませんがセラミック
コンデンサーなら数十GHzまでOKです(衛星放送や携帯電話の周波数帯)。
コンデンサーは大抵並列な抵抗成分を持っています。これが漏洩電流と
よばれるものです。これと容量の周波数依存性をまとめた形でコンデンサーの
等価回路(あとでちゃんとやるとして)
で表すことができます。 実用上、Rsは十分小さいので並列成分だけを
考えればよく、複素インピーダンスは
|
(5) |
と書くことができます。 実数部を虚部で割った比をtanδ(タンデルタ)
とよんでコンデンサーの
性能の目安にしています。
だいたい10-4から10-1の値を取ります。これが少ないほど高周波向けの
コンデンサーになるわけです。あとインダクタンス成分も持っていて(リード線や
内部のインダクタンス)
ある周波数以上になるとかえってインピーダンスが上がってしまいます。
高周波用(100MHz以上)にはなるべく小さいもの(1000pF)以下短い足で
利用することが重要です。このためいろいろの大きさの種類が違うもの
を並列で使うことが結構あります。
可変コンデンサー(バリコン)というのがあって一昔前まではすべてのラジオに
ついていたのですが最近はあまりみかけません。まー写真をご覧下さい。
なかなか印象的なものです。誘電体はもちろん空気です。
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2000-02-20