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谷口が日本物理学会において口頭発表を行いました (Taniguchi gave a talk in JPS meeting)

2025 年 3 月 19 日、日本物理学会が主催する春季大会において、ハイパー核実験研究のための検出器開発について谷口が口頭発表を行いました。
https://onsite.gakkai-web.net/jps/jps_search/2025sp/data2/html/programjk.html
日本・J-PARC における K1.8 ビームラインにおいて、ストレンジクォークを 1 つ含む重粒子である「ラムダ粒子」を原子核の構成要素として含む特殊な原子核・ラムダハイパー核の精密分光研究を進めています。ラムダ粒子は中性子星中心部における高密度環境において自然に生成されると考えられます。そのため、ラムダと核子の間に働く相互作用の理解は、中性子星の内部構造を理解する上で重要なインプットとなります。「ラムダ-核子」に働く 2 体力だけでなく、特に「ラムダ-核子-核子」に働く 3 体力と呼ばれる多体力は高密度環境において無視できない効果を発揮すると考えられています。私たちは、最新の実験装置を用いてラムダハイパー核の高精度分光を遂行することで、世界最高感度でラムダと核子に働く強い相互作用の研究を推進しています (J-PARC E94 実験)。
J-PARC E94 実験では原子核標的に正電荷パイオンビーム (π+) を照射し、反 ストレンジクォークをもつ K+ 中間子を高精度磁気分光器 S-2S でとらえることでハイパー核生成反応事象を観測します。S-2S には信号となる K+ 中間子のみでなく、陽子やミュー粒子といった粒子がノイズ粒子として多量に混入します。そのため、ノイズ粒子を排除しながら如何に信号となる K+ 中間子を高効率で観測するかが本実験で信号感度を高めるために重要な要素となります。谷口は、これらのノイズ粒子から信号を効果的に識別するための新しい検出器「アクリルチェレンコフ検出器」の開発を進めてきました。
谷口は、日本物理学会春季大会においてアクリルチェレンコフ検出器の開発に関する要請と開発の現状について発表を行いました。私たちは本チェレンコフ検出器だけでなく、高強度耐性を持つ粒子飛跡検出器の開発やその他の検出器、及びソフトウェアの準備も進めています。2025 年度中に準備を完了できるようにチームが一丸となってプロジェクトを進めているところです。
谷口 智大 (Tomohiro Taniguchi)
タイトル (Talk title)
S-2S を用いたラムダハイパー核分光実験のためのアクリルチェレンコフ検出器の開発状況
Development status of acrylic Cherenkov counter for Lambda hypernuclear spectroscopy by S-2S
日時
2025 年 3 月 19 日 (19 Mar 2025)