計算結果の解釈  お勉強へ 作成日:2002年11月 2日 土曜日

四重極磁石(L1= 50 cm、|∇B|=150 T/m)による19Neの偏極のシミュレーション

z軸をビーム進行方向に、y軸を鉛直上方にとった。
2つのスリット(いずれも、半径0.5 mm、長さ1.0 mm、クラウジング係数K〜0.5)をsource cavity(温度T)の前に1つと磁石の前に1つ距離L0だけ離しておいた。
四重極磁石の中心から+x方向に1.0mm離れたところをビームの中心にした。
磁石を通過させた後、距離L2だけ飛ばした。

はスピンが磁場に平行な場合で、
はスピンが磁場に反平行な場合を表す。
各々の条件ごとに、平行、反平行のどちらとも1,000,000回磁石に入射させた。

(1)の条件が実現の可能性が高いと考えられます。しかし、それでは上手く行かなさそうなので、条件を良い方へ変えてみた場合も計算しました。
(1)→(2) : source cavityから磁石までの距離L0を1 mから2 mにし、ビームの発散を小さくした。
  問題点:距離を2倍にすると立体角が4分の1になり、ビームの量が4分の1になる。
(1)→(3) : 磁石を通過させた後に飛ばす距離L2を3 mから10 mにして、分離する距離を増加させた。
  問題点:平均自由行程が短い(真空が悪い)ときには、ビームが散乱される確率が大きくなる。
(1)→(4) : source cavityの温度Tを80 Kから30 Kにして、速度を小さくして、より分離されるようにした。
  問題点:平均速度が小さくなるので、source cavityから出てくる確率が小さくなる。冷却装置が大変そう。

計算結果を表示するために、濃淡表示では1区画を0.25mm×0.25mmの正方形とし、それ以外では1区画を0.75mm×0.75mmの正方形とした。
補足
1.10月29日(火)に配った計算は、4次のルンゲクッタ法の計算が間違ったままでした。だから、あの結果は意味がないので無視してください。(あの間違った計算では本来の半分程しか曲がっていません。)
2.今までは磁石の入口のスリットにおいて、速度分布も一様として計算していたのですが、その手前にスリットを入れていた場合には正しくない仮定なので、今回はそのことも考慮して計算しました。(だから、今までよりぼやけた感じになりました。)
 計算結果の解釈
番号 条件 表示領域
(-25mm<x<+25mm,
-42mm<y<+8mm)

に入った数
計算結果(濃淡表示) 計算結果(3次元表示)
最低値 = 1区画に1個 : 画像をクリックしてください
左の結果の見方を変えたもの
(1) T= 80 K

L0= 1 m

L2= 3 m
平行 : 999,947

反平行 : 998,232
最低値 = 1区画に100個の場合
(1-a)
(1-b)

偏極率
(1-c):2次元表示
(1-d):ドット表示
(1-l):線表示
(2) T= 80 K

L0= 2 m

L2= 3 m
平行 : 999,941

反平行 : 998,199
最低値 = 1区画に100個の場合
(2-a)
(2-b)

偏極率
(2-c):2次元表示
(2-d):ドット表示
(2-l):線表示
(3) T= 80 K

L0= 1 m

L2= 10 m
平行 : 984,215

反平行 : 979,526
最低値 = 1区画に100個の場合
(3-a)
(3-b)

偏極率
(3-c):2次元表示
(3-d):ドット表示
(3-l):線表示
(4) T= 30 K

L0= 1 m

L2= 3 m
平行 : 999,577

反平行 : 988,277
最低値 = 1区画に100個の場合
(4-a)
(4-b)

偏極率
(4-c):2次元表示
(4-d):ドット表示
(4-l):線表示