next up previous contents
Next: 実際の増幅回路の周波数特性 Up: 負帰還と回路の周波数域特性(発振してこまるダメアンプとは) Previous: RC回路の周波数特性

ミラー効果と増幅回路の周波数特性


 
Figure: エミッター接地回路
\begin{figure}
\epsfxsize=0.4\textwidth
\centerline{\epsffile{emitter.ps}}\end{figure}

またまたエミッタ接地を考えます。この増幅率が-RL/reだったとしましょう(エミッタ接地の 出力は反転している)。 この時のベースとコレクタ間に浮遊容量Cbc(トランジスタの中でも 外でも)ベースとグラウンド間にCbeがあったとしましょう。 荒っぽく言うと出力が反転してるためCbc (1+RL/re)倍に見えてしまいます。 これをミラー効果と行って増幅度の高周波特性をほぼ決めてしまうものです。 すなわち入力から見た容量は Ct=Cbe+(1+RL/re)Cbeになります。 これとトランジスターの入力抵抗rbがローパスフィルタを形成するわけですから ゲインは $\omega=1/r_bC_t$のところで3dB下がります( $1/\sqrt{2}$)。 $1/2\pi r_bC_t$を高域遮断周波数といいます。 従ってrbCbeが小さいトランジスタしか高周波増幅には使えないことになります。

低周波の限界をきめるのは入力とか格段接続用のコンデンサーと次段の入力抵抗で決まる ハイパスフィルター効果やエミッタ接地のCeで決まる低域での増幅率の低下です。 これらが低域遮断周波数とよばれます。この間の増幅器で動く範囲が帯域幅となります。

低域を伸ばすのは数Hertzぐらいまで問題なくできますが、反対に高い周波数方向はやっかい です。一段増幅で遮断領域を越えると最高90度まで位相が回ってしまうわけです。 従ってn段重ねていくと -6dB,-12dB,-18dB/octと高域ゲインが低下します。 位相は最大n×90度回ることになります。


next up previous contents
Next: 実際の増幅回路の周波数特性 Up: 負帰還と回路の周波数域特性(発振してこまるダメアンプとは) Previous: RC回路の周波数特性

2000-02-20