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ちょっと典型的なオペアンプに戻って考えてみます。以前にあげた例は3段増幅ですが
最終段がエミッタフォロワー(push-pull)回路なのでここではミラー効果は効きません。
従って高周波特性は大体2段アンプとして考えれば良いわけです。
このような回路構成をとっているもうひとつの理由は2段増幅では最大180度までしか
位相が回らないからです。もし180度回ってしまってそのときにAHが1になるような
負帰還をかけるとほぼ確実に発振します。
じゃー2段だから絶対安全かというとそうでもなく、ミラー効果が
効かないと行っても3段あるわけで、もっと高周波になると-18dB/octで高域ゲインが
低下します。従って使い方によってはやっぱり発振します。そのため多くのオペアンプ
では高周波増幅度を落してしまって位相が180度回るところまで行くと
AHが1にならないようにするための位相補償コンデンサーがつけられるようになって
います(内蔵のものもある)。簡単にいうなら、周波数の十分低いところで-6dB/oct
のローパスフィルターをつけてしまったようなもの高周波帯のごちゃごちゃがら
逃げてしまうわけです。
(逆にいうと一段アンプは決して発振しません)。
位相補償をつけなくてもオペアンプの裸の周波数特性が悪いのは1ー2段目の増幅で
目一杯のテクニック(定電流とか能動負荷とか)を使って増幅度を稼いでいるためです
(ミラー効果が目一杯効くようになる)。
従って周波数とその周波数での裸の増幅度との積は一定になります。これをGB積
といってオペアンプの性能を表す指標の一つです。
汎用のオペアンプ(オペアンプは汎用なのだがそのなかでも使いやすいものを指す)の
裸特性は-6dB/octで落ちていきます(RC一段と等価になる感じで発振しにくい)。
この辺は回路的な努力が効くところで、
位相補償を入れるとか、ゲインをほぼ1段で稼いでしまうとかするわけです。
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2000-02-20