核子対相関・対凝縮とは
何か
私たちの世界の物質を構成する原子核は、陽子と中性子(核子)が核力によって結びついた究極の量子多体系です。 この核子多体系の内部では、特定の条件下で核子同士が「クーパー対」を形成します。 この対(対相関・対凝縮)こそが、ミクロな原子核の内部で生じる「核子超流動」を紐解く鍵となっています。
中性子星は
巨大な実験室?
核子超流動の舞台は、ミクロな原子核の内部にとどまりません。宇宙に浮かぶ巨大な高密度天体「中性子星」もまた、膨大な数の核子で構成された巨大な量子多体系です。 中性子星の内部では核子がペアリングを起こし、超流動状態にあることが強く示唆されています。 この核子超流動は、中性子星の「状態方程式(EoS)」を決定づける不可欠な要素であり、天体の冷却メカニズムや、自転周期が突如急加速する「パルサーグリッチ」といった謎の解明に直結しています。 中性子星の内部は、中心に近づくほど密度が高くなる層状構造(玉ねぎ構造)を成しており、各領域の密度に応じて多様な超流動相(相転移)をとることが知られています。 本プロジェクトは、この広大な宇宙の謎を地上で検証するため、加速器を用いた原子核散乱実験を行うことを試みています。
実験概要
私たちは、核子ペアリングの動的な素性を解き明かすため、核子対移行(対付加・対剥ぎ取り)反応や、荷電交換反応を用いた高精度測定を行っています。 現段階では特に、「核子対移行反応」を主軸に研究を推進しています。 本実験の最大の特徴は、極めて小さな反応断面積(発生確率の低さ)と、反跳される低エネルギー粒子の精密測定という難題をクリアすることにあります。 これを克服するため、私たちは大阪大学核物理研究センター(RCNP)が誇る高分解能磁気分析器群の一つ、LAS(Large Acceptance Spectrometer)の検出器高度化に参画し、実験システムの構築を進めています。
Members & Contact
- 所属: 京都大学 理学部
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- 所属: 大阪大学 核物理研究センター 教授
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